クイズの部屋

171221

今月、東京・神楽坂にクイズルーム「SODALITE」(ソーダライト・
http://quiz-sodalite.com/?page_id=29)がオープンした。
これはたぶん日本初となる、クイズ専用のイベントスペースだ。まさかこのようなものが現実にできるとは。

『QUIZ JAPAN』の編集長・大門から、「クイズルームを作ります」と最初に聞いた時、正直驚いた。そして僕はあることを思い出した。それは1980年代、僕がまだRUQS(立命館大学クイズソサエティー)に在籍していた頃のことだ。

当時もクイズはテレビ番組として一般的だったけど、今以上に多くの人にとっては、クイズはあくまでも「見るもの」だった。
しかし僕らは「クイズ研究会」だったので、あくまでもクイズは「プレイすること」が基本だった。クイズに対するアプローチが違う以上、楽しみ方も一般の人とは根本的に違っていた。

実はこのことは今も同様に思っている。僕らクイズプレーヤー側が感じているクイズの面白さや醍醐味は、たぶん一般の人には理解されていないんだろうなあ、と思うのだ。
僕がよく書く、クイズに潜む「悪魔的」とか「中毒性のある」とかいう面白さは残念ながら見ているだけの人にはわからないのである。

当時の僕らは夢想していた。
将来もっとクイズが一般の人にも浸透し普及すると、あたかもカラオケボックスのように「クイズボックス」とかいうのができるんじゃないか、と。そんな与太話で盛り上がったものだった。
完全防音の各部屋にはいろんなタイプの早押し機が備え付けてあって、スピーカーからは早押し問題やイントロクイズ、モニターからは目で見る問題などがどんどん出題される。料金は100問パックで500円。

そんなんができたらオモロいよなーなんて、僕らは決まって徹クイ(徹夜クイズ)の合間なんかに話していた。
今回、クイズスペースができるという話を聞いて、そんな仲間たちとの昔の会話を僕は思い出したのだ。

僕らはやらなかったけど、カラオケボックスで早押しクイズをやるのは案外普通の話だということを知った。90年代の終わりに新しいクイズサークルを立ち上げたとき、当時まだ大学生だった連中から聞いて知ったのだった。
もちろん早押し機も問題も持ち込みなんだけど、いくら騒いでも大丈夫だからかなり便利のいいものなのだろう。
その時も、「クイズボックスも現実のものになるのか?」と思った。
しかし残念ながらそれ以上のものは誕生しなかった。

「QUIZ JAPAN」がプロデュースする今回のクイズルームは、「専用スペース」という以外は取り立てて新しいものではない。最先端のテクノロジー、などとも無縁で、アナログ感は拭えない。しかしながらそれでも、僕らのネタでしかなかった「クイズボックス」に近いものがあるのではないかと感じてしまう。

早押し機の常備はもちろん、夥しい数の問題集やクイズ本も揃えられている。
タイミングさえ合えば、それこそ雀荘のようにフラッと立ち寄るだけで本格的な早押しクイズができるのだ。
改めて考えてみると、「クイズ専用スペース」というだけでそれは十分新しく刺激的なのである。

これは新しい可能性を生み出すに違いない
仲間たちと場所を借りてやるクイズではなく、行った先で偶然集まった面子と早押しクイズをやってみる。こういうのはありそうでなかったと思うんだけどどうなんだろ。ちょっと怖い感もあるが(笑) でも、怖いもの見たさでやってみたいと思ってる自分もいる。

ところで、この「SODALITE」だが、使い方にはこの雀荘っぽい「偶然の対戦」の他にもあと2種類あると思われる。
1つは、仲間うちでの集まりや例会場所の有力な候補としてのものだ。

早押し機が発する「ピンポン」や「ブー」は案外大きな音で、場所を借りる時にはこれがネックとなって断られることがある。
しかしクイズのための専用スペースではそんなことを気にしなくていいので(当たり前だ)、いつしか「困った時の神楽坂」ということになるのではないだろうか。
多分この使われ方が一番多いのではと僕は推測する。

そして、もう1つの使われ方が「イベント」だ。
誰かがクイズのゲームを主催し参加者を募るというスタイルのものである。
内容のバリエーションは無限だ。
「イントロクイズの日」とか「50代以上限定の早押し」とか「紅茶とスイーツを食べながら」とか、僕が今ちょっと考えてもアイデアはいろいろと生まれてくる。
これは「クイズイベント」であり「クイズライブ」でもあるんだけど、アナログなクイズルームならではの新しいスタイルが生まれるのは間違いないだろう。

というわけで、面白そうなので僕も毎月1回ぐらいはここでイベントをさせていただくことにした(笑)
12月は今度の日曜日、24日。1月は今のところ21日という打診を受けている。
いやー、何分やったことのないことなので今からすでに緊張している。
何はともあれ僕のクイズをやってみたいという人がいたらぜひ来てみてほしい。
初心者の方はもちろん歓迎しますが、平気でヤジを飛ばす同世代の連中でも大学のクイズ研の後輩であっても僕は敢然と立ち向かいます。(戦ってどうする)

あとそれと、さっき書いた「フラッと立ち寄る」というのも一度はやってみたいと思っていたりする。
でも最初は1人で行くのは怖いので、もし行ってみようかなと思っているかつてのライバルの皆さん、行くときはぜひ連れ立って行きましょう。誘ってください(笑)

「SODALITE」のホームページは
http://quiz-sodalite.com/?page_id=29

ではまた来週の木曜日。