新春に思うこと
170105
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
まだ松も取れていないので今回は初夢のような話を。
ここ数年、CSの「ファミリー劇場」で『ウルトラクイズ』の再放送が何度か行われている。『第12回』を皮切りに僕らが出た『第13回』、『第11回』と来て歴代最高視聴率をたたき出した『第7回』の再放送が完了している。
ここで多くの人が思ったに違いない。
「これって、ひょっとしたらウルトラクイズが復活する流れなのでは?」
結局そこかーい(笑)
前にも書いた通り、この番組はやたらにお金がかかる。だから復活する可能性は限りなく小さい。
しかしながらかつて、単発番組ながら復活する直前まで行った、という話もある。
つまり復活すること自体の可能性はゼロであるとは言えないのだ。だからこの再放送の流れがその呼び水になっていることだって否定はできない。
さてここからが問題だ。
では、もし本当に復活した場合に、ウルトラファンであるあなたはそこでどうしたいのか、ということなのである。
「ドーム予選」で正解してスタンドで「そーれそれそれ、×帰れー!」とか叫んでいるだけで十分なのか、それとも「人生を賭けたジャンケンをしてみたい」のか、「飛行機の中でめまいを起こしたい」のか。はたまた「ドロンコにはまって数日後にドロが耳から出て来るのを体験してみたい」(本当)なのか。
そして面白いことに腕に自信のある人は必ずこう考えている。
「とにかくドロさえ突破したら何とかなる」
これ、むちゃくちゃ多いんだよねー(笑)
「あの問題さえ正解していたらその年は成田に行けた」と同じぐらい多い(笑)
残念ながらそんなこと考えている奴は山ほどいるのだ。少なくとも『第13回』の成田に集まった連中でこう考えていた奴は相当数いたはずである。
でもここで、どうせ考えるなら僕が昔から持っていた考え方をパクってみたらどうだろう。
「とにかくニューヨークに行けば何とかなる」(笑)
ウソみたいたが、僕はずっとそればっかりを意識してクイズをやっていた。
だって、その形式で勝てないのは、イコール「優勝できない」ってことだからね。
大学時代に僕とクイズした人は僕が「10ポイント」に異常にこだわっていたのを覚えていると思う。とにかく誰彼構わず10ポイント勝負を吹っかけてやっていたのだ。
『ウルトラクイズ』の旅が面白いのは誰でもわかる。だったら最後まで行く方がいいに決まってる。先へ進むのを阻むもの、それこそがクイズなんだから、そこを1つずつクリアするコツは会得しておくべきなのである。
優勝したいなら「10ポイント」までやっておく必要があるし、準決勝まででいいなら「通せんぼ」、メインランドを旅したいなら「ボードクイズ」や「リレークイズ」、それ以前なら「○×クイズ」「3択ペーパークイズ」そして「ジャンケン」。それぞれの対策をちゃんとすべきなのだ。
「10ポイント」に異常に執着していた僕だが、当然それ以前の形式の対策は十分行っていた。クイズは「早押し」だけではないのである。
『ウルトラクイズ』が復活するなんて誰にもわからない。あるかも知れないしないかも知れない。あるとしてもいきなりの半年後かも知れないし10年後かも知れない。
大事なのは「もし復活したときに自分がどうしたいか」という思いを抱いて、いかに「今」を過ごすかなのだ。
さてここで、この考え方を具体化した例を紹介しよう。
昨年3000安打を記録してアメリカの野球殿堂入りを確実にした初の日本人選手、と言われているのがイチロー選手というのは常識。ではここで問題。日本人野球選手で最初にアメリカの「野球殿堂入り」したのは誰?
これわかる? 沢村栄治投手?王貞治選手?
実はいずれも違っていて、正解は元阪急ブレーブス(現在のオリックス・バファローズ)の山森雅文選手だ。誰やねんそれ、って感じの人も少なくないと思う。
ただし、彼自身が殿堂入りしたのではない。彼の「写真」が野球殿堂で展示されたというのが正しい。
1981年のシーズンにあったこのプレーは「サーカスプレー」とも称され、昔から「珍プレー好プレー」などのテレビ番組で何度も放送されているのでご存知の人も多いと思う。
動画サイトや検索サイトなどで「阪急、山森、スーパープレー」あたりで検索すると実際の映像が見られるのではないだろうか。
何度見ても凄いプレーなのだが、しかしながら本当にすごいのはこの背景にある話だったりする。
野球評論家の近藤唯之氏によると、山森選手はこのプレーを毎日練習していたというのである。
ジャンプするタイミング、バランスの取り方などの微調整をしていたのだろう。実際にフェンスに登って金網を歩くなどの練習もしていたとのこと。
自分が現役を何年続けるかわからないという状態で、しかもその現役時代に1回あるかないかのプレーに対して、「もしこういう打球が飛んで来たら」という気持ちで練習していたその考え方と行動力には脱帽してしまう。
山森選手は通好みの素敵な選手だったけど通算成績はそれほどでもなかったために一般の人々の記憶にはほとんど残っていない。しかし、このプレーは永遠に語り継がれるしそれと同時に「山森雅文」の名前も残る。
そして彼はそのプレーで教えてくれる。
「一生に一度あるかないかのチャンスに、毎日本気をかけられるか」
物事が動く気配がないときこそ絶好のチャンスなのだ。
「有名になるための絶対条件は、無名であることだ」という言葉がある。誰もが見えてないときにいくら努力できるかで未来は確実に変わる。
『ウルトラクイズ』が好きで、それに自分を賭けてみようと思った人は、今こそ思いを新たにしてみよう。
季節は新春。気持ちを新たにするにはベストの時だ。
ではまた来週の木曜日に。