クイズの部屋 2
171228
前回に続いてクイズルームの話。
この前の日曜日、東京・神楽坂のクイズルーム「SODALITE」(正式オープンは2018年1月7日)の杮落としとなるイベントを開催した。
内容はペア戦の「第1部」と個人戦の「第2部」。寄席で言うところの「昼席」と「夜席」の2回公演で、持ち時間はそれぞれ3時間。
実はその前日の土曜日にも自分のサークルの大会で4時間のクイズを提供していたので、僕にとっては2日で合計10時間、3回のクイズ大会の連投となった。
「SODALITE」側からクイズイベントを打診された時は、この3大会とも内容を基本的に同じとすればいいのだと高を括っていた。だから軽く受けたのだけど、内容を整えて行くうちにやっぱり全部違う内容にしようと思い立った。これが本番数日前(笑)。
結局合計20のクイズ形式を新しく考えたり既成のオリジナルモノを整備したりして臨むことになった。
ここらへんが貧乏性というか意地っ張りというか(笑) これでいつも大会当日はヘロヘロになってしまうのだ。ショートスリーパーでないと絶対にできない芸当だと自分ながら思ってしまう。
問題はもちろんほとんど新作。
これは当然の話で、クイズ屋ではない一般のお客さんにクローズドでクイズを出題する場合は、出題する傾向や内容によって盛り上がりがかなり変わってくるのだ。
だから常に「その大会にふさわしい問題」を選んで最善を尽くす必要がある。既成の問題をチョイスして済む場合ならそれが一番早いが、案外一から作った方がトータル的に手っ取り早かったりするのだ。
まあ問題を作ること自体はこっちもプロなので、全然苦でもないんだけど。
さらに、土曜日のサークルの大会に参加するメンバーが日曜日の夜席に1人だけ参加することになったので、その2大会に関しては1問たりとも同じものを出すわけにいかなくなってしまった。と同時に、似ている問題も出せなくなった。(なぜ「似ている問題」を出してはいけないのか、これもいつかクイズの出題テクニカルな部分の話で書かないといけないなー)
そんなこんなで問題制作量が一気に増えた。
最後の2日間は空いている時間は移動中であっても問題を作ったりそれをカードに書き写したりする作業ばっかり。だから今年は気付いたらクリスマスがやって来たって感じになっていた。
いよいよ本番の週末となった。
土曜日のサークルの大会は安定の盛り上がりだった。酒も入ってないのに宴会のようなクイズ(笑) 出題する側なのに涙を流して笑ってしまう。
ここでやったクイズ形式は、「SODALITE」での形式を考える上でボツになったものが大半だった。道徳上やれないだろうとか(笑)、こんなディープな笑いはいくら何でも通じないだろうとかいうものだ。
ウチのサークルは時として僕の実験場になったりする。このパターンでもう20年近く一緒にいてくれるみんなはすごい。もう感覚マヒしてるんやろなあ。
そして、明けて日曜日の「昼席」である。
「SODALITE」の記念すべき最初の大会だ。
合計7組のペアが参加してくれた。夫婦が多かったけど、友人ペアもちらほら。中でも凄かったのが「出会って2回目」というペアだ。大丈夫か?いろんな意味で(笑)
僕にとってはサークルの大会後だったこともあり、参加者はとても上品に見えた。(どんなんや)
14人中全くのクイズ初体験という人は1人で、高校や大学のクイズ研に所属していたという人が過半数。みんな慣れている様子である。
しかしながら、そのたった1人の「初体験」の方が、これがまた強いのなんの(笑)
これは前から思ってることなんだけど、世の中にはクイズをやってないのに物知りの人がいる。ああいった人ってどうやって知識を集めて整理してるんだろうね。そのメカニズムがさっぱりわからない。そういう人が本当の「物知り」で「博識」なのだろうと思う。
クイズ研であろうがクイズ好きであろうが、クイズプレーヤーを自覚する僕らはクイズに対する特殊な訓練を積んでいる。だから物知りであるのは当然だったりするのである。でもそれとは違うのだ。
だからクイズプレーヤーに対して「博識」という表現はあまり使わない。それに代わる表現として「(クイズに)強い」というのが使われたりするのである。
クイズはメンバーの雰囲気通り和やかに進んだ。
「クイズをするのは◯年ぶりです」という人が多かったけど、どうしてどうして。時間が進むにつれて昔の能力が蘇って来て、最終的にはサークル並みの本格的なクイズ大会となった。
優勝は北海道出身のご夫婦。高校のクイズ研の先輩後輩ということらしいけど、いやーお二人ともいい感じでしたね。とても強くて素敵でした。
打って変わった「夜席」は個人戦。
こちらはもう開始前からちょっとピリピリ状態(笑) あの昼の和やかなクイズタイムはどこへ。
当初の妙にかしこまった堅苦しい雰囲気もクイズを進めるにつれて打ち解けては行ったが、でもやっぱり勝負モノという感じは抜け切れない状態だった。
だってみんな目の奥が笑ってないんだもんなあ(笑) 勝ちに来てるよなー。
クイズ形式は全てに勝ち負けがあって自分の格付けがどんどん変わり、最終的に3人ずつ5つのグループに分かれるものである。
決勝はこの5つのチームによる団体戦のクイズ。先に7ポイントを獲得したチームが「優勝」となる。
すでに世の中は「クリスマスイブ」に突入している時間帯で、そのためこの「夜席」は「クリぼっち大会」と銘打っていた。(ひどいなー)
そんな大会で優勝したのが、5チーム中唯一だった男性だけのチームである。いやー、企画者的にはこれ以上ない展開。クイズの神様は粋な計らいをなさる(笑)
優勝が決まって「やったー」と盛り上がるもイマイチ華がない「チームA」。見ていて涙が出そうだったぞ。
「昼席」も「夜席」も、優勝チームには「SODALITE」から記念品が授与された。
こうして僕のイベントは終わったんだけど、何と、こういうことがこれから毎月も続くのである。しかも毎月最低2回(1日)はあるのだ。大丈夫か、体力。
しかし、ただやるだけでは面白くないし僕自身も楽しみたいので、あるアイデアを採用することにした。
つまり今後1年間を1つの大会とする形を取るのだ。
フィギュアスケートでいうところの「グランプリシリーズ」である。
各大会それぞれの上位者にポイントを与え、最終的にポイントの上位者だけでの大会を行い、年間の1位を決めるというものである。
点数はそれぞれ優勝5ポイント、2位3ポイント、3位1ポイントで、これは個人戦でも団体戦でも全員に与えられる。
来月のイベントからにしようかなと思っていたが、気まぐれで今回のイベントからスタートすることにした。
今月から来年11月までの12ヶ月分のイベントが対象になる。
ポイントを単純に合計し、その上位から16人に年末12月の最終決戦への参加を打診するということになる。
もちろん全員が参加を断ったらクイズは開催されない(笑) その場合、年間チャンピオンは僕になる。ってどんなルールやねん。
我こそはと思わん人はぜひ参加してちょうだい。挑戦を待っています。
それと、「SODALITE」での僕のクイズ、これこれこういう縛りでの大会をやってほしい、というリクエストがあったらそっちも受け付けます。
たとえば「50歳以上でやってほしい」だの、「女性だけでやりたい」だの、「ベイスターズファンだけで」だの。何でも構わないので、希望があったらこのHPか「SODALITE」に書き込んでください。
「SODALITE」でたくさんのクイズ好きのみなさんとお会いできることを期待しています。
というわけで2017年も間もなく幕。
今年もご覧いただきありがとうございました。
2018年が皆様にとって良い年となりますように。
ではまた来年の木曜日。