クイズサバイバー!
170629
このコラムがアップされる前日、予告の通りテレビ朝日系で『超クイズサバイバー』がオンエアされた。
「見てねー」って能天気に書いたけど、まああの体たらくだから本当のところは全然胸を張って言うものでもなかったのだ(笑)
いやー、もうホント、ごめんなさいね。全然ダメだったねー。
放送後、多くの人がメッセージやメールを書いて送ってくれたのよ。やっぱり全国ネットのゴールデンタイム番組はすごい。関西の深夜のローカル番組とは反響が全然違ったりする。(当たり前か)
僕自身は関西ローカル番組には見るのも出るのも大好きなんだけどね。
カッコよかったよ、とはみんな書いてくれたけど、クイズすごかったね、とは誰も書いてなかった(笑) そりゃそうだ。申し訳ない。
さて本日のコラム。昨日来たメッセージには「明日のコラム、楽しみにしてます」って放送に絡んだものを期待しているようなのがたくさんあった。なので急遽そういう方向にしてみることにする。
まずは放送の前段階から。
だいたい僕がなんでこの回に出ることになったのか。
これは作家の矢野了平の推薦があったからだ。
何でも「宮崎美子さんが出るから長戸さんも出るかも知れない」という彼の意見が会議で通り、僕はまんまその餌に食いついてしまったのだった。たいやきくんかオレは。
たまたま京都から引っ越してきてすぐにもらった話だったので、近いからいいか、というのもあった。これまでは、わざわざ新幹線に乗って行くのもなあ、という理由で東京のテレビはほとんど断っていたので。
とにかく餌に食いつきながらも(そこが大事)謹んで受けさせていただいた。
しかし後になってメンバーを聞いてびっくり。ほとんど若い連中じゃん。
伊沢君はあの番組の常連だからいいとしても、他のメンバーが今旬のプレーヤーばっかりで困った(笑) まんま場違いじゃん。
まあ今尾(山内)奈緒子や横田(奥畑)薫、それに為季がいるからまだ完全アウェー感はないけど、それでもみんな現役だし年齢も離れている。
そうかー、とうとうオレも松尾さん枠になったのかーと、しみじみしてしまった(笑)
それからいろいろあって本番当日。
最初のサプライズは到着直後の楽屋で起こった。
今回僕は3人の「テレビの向こうの人」と話をさせていただいたんだけど、その最初がこのタイミングだった。
僕が楽屋に到着したときにはまだ関西組は来ておらず、鈴木君と徳久君だけが部屋にいたと思う。彼らに挨拶をしているときだった。楽屋に僕を訪ねて来てくれた人がいた。
テレビ朝日の久保田直子アナウンサーだった。
あれ?今日のMCだったっけ?と思って手招きされるままに廊下に出て話してみたところ、どうもこの番組を担当しているのではない模様。つまり、単に僕に会いに来てくれたのだった。びっくり。
話を聞くと、彼女が放送の仕事に興味を持ったきっかけが何と『第13回アメリカ横断ウルトラクイズ』だったとのこと。当時まだ小学生だった彼女はそこからいろいろと努力を重ね現在のポジションにいるのだ。彼女もまた夢を叶えた組だったのである。
彼女にとってそのすべてのきっかけは僕だそうで、だからどうしても一度会ってこれまでの思いや経緯を伝えたかったって言っていた。
せっかくそんな嬉しい話をしてくれているのに、小学生やったん?マセガキやなー、とツッコんでしまう僕は骨の髄まで関西人。
でも僕の方もそう言ってもらえてホントに嬉しかったのよ。おかげで収録に対して気分の「入り」は最高になりました。本当にありがとう。
そういや、最近知り合う女性陣で、当時小学生でした、という人が多くなってきたなあ。
当時、小学生からのファンレターってそんなに来てなかったから、さすがにその世代はあの番組を見てないか、と思っていたんだけど、どうもそうではなく、単に手紙を書かなかっただけでクラスでは盛り上がっていたらしい。
でもなあ、小学生女子が大学生のお兄さんを好きになるかあ? だから当時小学生でしたと申告した女子にはもれなく「このマセガキがー」と伝えるシステムを現在採用しているのだ。
さて、そんなこんなで関西組も合流し、全員飲食店の従業員のようなユニフォームに着替え、そして収録はスタートした。
まずはいきなりクイズ王向けの「ですがクイズ」。
これは今回のこっちのメンバー紹介のためのものなんだろうなあ、とは思っていたが、まさかこの形式こそが実はクイズ王へのハンデだったとは!
まさかこのときは夢にも思ってもいなかった。
で、クイズなんだけど、これがまあ、全然押せない。てか、全然問題が頭に入ってこない(笑)
『クイズ神』や「マンオブシニア」の直前にはクイズ倶楽部の部員と早押しの練習などをしたのだけど、今回ばかりは忙しさを理由に全く何もしていなかった。そのツケがこんなところで出たのだった。
ヤバいなーと思っても後の祭り。何もしなかった罰だなーと割り切って僕はとりあえず嵐が過ぎ去るのを待っていたのだった。(ってダメじゃん)
分割クイズでようやく正解を出し、ホッとしたところで、次のアクシデントが発生した。
何と急激な睡魔が襲ったのだった(笑)
これ、収録がつまらないということではなく、あの時期、ひどい睡眠障害になっていて、毎日、ある時間帯になったら前後の状況関係なく眠くなるのだった。
この症状、20数年前にも一度患っていたことがあって、当時はきっかり16時になったら眠くなるということになっていた。あるとき、バイクを運転中にその時間が来て寝てしまい、眠りながら数十メートル走ったことがある。このときは慌ててバイクを停め、川の土手で数分間睡眠を取ったのを覚えている。
そういや昔、クイズの本番でも寝てしまったことがあったなあ。
たしか『FNS1億2千万人のクイズ王決定戦』の「グランドチャンピオン大会」だったと思う。前の日の夜、ちょっとした理由で一睡もできず、徹夜で臨んだ長丁場の収録で途中で本気寝をしてしまった。このときは隣に座っていた根岸潤に起こされたので事なきを得たが(笑)
とにかく収録中の睡魔はそれ以来のことだった。
ここで来るかー、と思いつつ、スタッフにのみなさんに申し訳ないと感じつつ時間を経過させた。
ほどなくして睡魔は消え去ったのだが、つねったり鍵で刺したりとかしていたのでズボンの中の僕の足は真っ赤になっていたと思われる。
クイズはどんどん進行して行った。
伊沢君が楽屋で「とにかくみなさん早いっすよ」とアドバイスをくれたのだが、実際にその通りだった。
芸能人のみなさん、ボタンが本当に早い。ここは大学のクイズ研の4月か、と思ったぐらいだ。
100のクイズに100の対策、という持論が僕にはあるのだが、ここのクイズもやはり独特の対策が必要のようだ。
とにかく、放送を見ているのと実際に戦うのは全然違う。これまでの放送の録画を全て見て僕は臨んだのだが、いやー、何の対策にもならなかったな。というか、対策自体がズレてたな。もし次回、参加させていただくチャンスがあったら、別の対策で臨んでみたい。
収録も佳境に入り、ここで途中休憩が入った。
このとき2人目の「テレビの向こうの人」と会話をすることになる。
それがゴールデンボンバーの歌広場淳さんだった。
僕がひな壇で座っているところに彼はやってきていきなりこう言った。
「長戸さん、お会いできて嬉しいです」
ここまでは普通なんだけど、
「僕もクイズをやっています。今は古川さんのところで頑張らせていただいてます」
ってなんやねんそれ(笑)
ちなみにこの「古川さん」というのは、RUQS(立命館大学クイズソサエティー)出身で、現在はクイズ作家でもあるクイズ王、古川洋平のこと。僕とはかなり年齢が離れているので一緒にクイズをやったことはないけど何度か会ったことはあるし、大門と3人でメシも食いに行ったことがある。
しかし、「古川さんのところで頑張らせていただいていてます」って、なんかオレが街道の大親分みたいやんけ(笑)
「そうか、小政のところで頑張ってるのか」みたいな。
「なんか困ったことがあったらわしを頼ってきたらいいからな」とか言えばよかったのか。
とにかく彼はクイズをちゃんとやっているみたい。だから最後の最後で彼が「エルミタージュ」を正解し、勝負にケリをつけたのはちょっと嬉しかったな。
収録は「100問組手」が終了し、選抜戦という流れになった。
僕は100問中5問正解。選抜組は成績の上位から選ぶという話だったのと、まあ早押しだから鈴木君や徳久君だろうなあと決めつけていたから、僕は出番は終わりと勝手に解釈してしまっていた。
なのでこの休憩では廊下に置いてあったおにぎりやお菓子をたらふく食べた。もう完全な観客モードになっていたのだ。
だーかーらー、そういうのがダメなのよねー。
メンバー発表までそういうのは控えておけばよかったのだ。
なぜか僕は選抜チームに入っていた。これでもう1回気持ちを締め直さなければいけなくなったのだった。
で、あの結果である。やっぱ神様は見てるのよ。ちゃんと罰を与えてくださったというオチなのだ。
この選抜戦で得られた教訓は実は、いつかコラムでも書こうと思っている内容そのままだった。ここの詳細は改めて書いてみようと思う。
とにかく僕はサシの勝負でジャングルポケットの斉藤慎二さんに負けてすごすごと席に戻るしかなかった。
しかしこの斉藤さん、チャラけて見えて、結構クイズにはしたたかだったりするよね。
僕の前の今尾との対戦では、彼女の押しをちゃんと横目で見て正解をはじき出してるもんね。収録当時は見る角度の関係でわからなかったんだけど、放送を見て彼のあの一瞬の動作には驚き、そしてちょっとしびれた。カッコよかった。
そこまでの相手なんだったら僕も誤答をした後に「技」を仕掛けたらよかったかなと放送を見て後悔することしきり。ちょっと素直にクイズをやってしまいました。
さて、クイズの話はこれで終わり。って全然クイズの話になってなかったけど(笑)
最後は3人目の「テレビの向こうの人」の話だ。
これは歌広場さんが話しかけてきた直後のこと。
休憩を終えられてスタジオにお戻りになられた宮崎美子様が何ともったいなくも僕に話しかけて来てくださったのだった。
しかもこっちは一段高い場所。当然ながら緊張し切って何も会話にならない状況が続く。
放送でも「御本を読んでます」とおっしゃってたが、僕にも同じことを言われた。
なぜ美子様が『クイズは創造力』をお持ちなのか、それはまた別の話。
わざわざコラムに書くこともないので、知りたい人はトークライブのQ&Aででも聞いてちょうだい。
僕はこれまでいろんな状況を指して「クイズをやってよかったー」的な発言をしてきた。
最初に思ったのはニューヨークの上空をヘリコプターで飛んだとき。自由の女神を目にしたとき、もうこれ以上のものはないだろうと思った。だから決勝前に現役引退を宣言するのに何の躊躇もなかったわけだ。
しかし!今回はレベルが違う。
もうこれ以上の「クイズをやってよかったー」はないと思われる(笑)
今後はいかにいい状況になろうと、史上2位以下が確定したのだった。
1980年の夏、あのCMを初めて見たその日にファンになり、以来ずーっとお慕い申し上げているその方から、まさかお声を掛けていただける日が来るとは!
ってちょっと話が長くなってしまいそうなので、この感激話はここまで。
総括すると、今回の出来は結局は30点ぐらいだったかな。40点満点で。(だったら結構好成績じゃねえか)
嘘です。200点満点です。
圧倒的に対策がズレていたのが根底にある。それと実戦の経験不足。
収録後、今尾ちゃんと、「新しいサークル作って、ちゃんとやらんといかんなあ」と話していたのはマジだったりする。テレビの世界に戻るならもっとボタンを押さないとね。
勝負の神様に怒られるのだ。
以上でクイズサバイバーの話は終わり。
最後に、思ったこと感じたことをつらつらと書いてみようと思う。
林先生はタレ目だけど、まさか自分の方がもっとタレ目だと知ってびっくりした。
クイズ王チームのみんなは若い。そして素直そうないい子ばっかりで驚いた。
オンエアよりも収録の方がみなさんの小ネタが多くて面白かった。
ワロドムはすごい。僕もアルゼンチンのクイズ番組に出て優勝してみたい。そしてスペイン語でボケをかましてみたい。
とにかく収録は楽しかったです。みなさんどうもありがとう。
ではまた来週の木曜日。