超お気に入りのテレビ番組

170119

今回は珍しく、クイズ以外のテレビ番組の話を書いてみよう。

数あるテレビのレギュラー番組のうち、僕が最もオンエアを楽しみにしているもの。第1回から欠かさず見ていて、しかも録画し保存しているもの。これがNHKBS1で放送されている『球辞苑』である。
「この一冊を紐解けば、プロ野球の今がわかる!」という、土屋伸之さん(ナイツ)のナレーションで始まるあの番組だ。

「あの番組だ。」といっても実際のところは知らない人の方が多いかも知れない(笑)
改めて紹介すると、この番組は、野球における何か1つのキーワードを徹底的に掘り下げ、それをスタジオに迎えた元プロ野球選手(たまに現役選手)のゲストを中心に、「編集長」のチュートリアル徳井義実さんや「記者」のナイツ塙宣之さんらがトークを繰り広げていくものである。

この番組の何が面白いって、選ばれるこの「キーワード」がとにかくマニアックでいいのよ。
2014年に放送された第1回(当初は不定期放送の特番だった)のキーワードがいきなり「SFF」。そう「スプリット・フィンガー・ファストボール」である(笑)
もうこれだけで僕なんかはハマってしまった。
放送前は「SFF」で50分も持つんかいな、と高を括っていたんだけれど、これがまた出演者全員がマニアックな話に終始し、そしてちゃんと成立していたのだ(当たり前だ)。しかも予想をはるかに超えて無茶苦茶面白かったのだ。

その後に放送された回のキーワードといったら、「外野手の補殺」だの「ファースト」だの「リード」だの。「インハイ」とかもあったな。もう、僕みたいな野球バカは見ただけで涎が出そうになってしまうキーワードが目白押しなのである。

「外野手の補殺」の回は自分が外野手だっただけに、そうそうそれそれ、とか思ったり、今更ながら勉強になったり。
「ファースト」の回では、かの「世界のホームラン王」王貞治さんへ、ホームランのことに全く触れずずっとファーストについてのインタビューが繰り広げられた。王さんもよほど珍しかったのか嬉しかったのか、ようやく聞いてくれた、とばかりに嬉々として一塁守備について語られていた。
「リード」の回でも、これもやはり「世界の」と形容される福本豊さんに、盗塁ではなくあくまでもその前段階での「リード」だけを聞くという贅沢なインタビュー。当初は困惑されていた様子だったがしかしさすがプロ、という深い話に(そしてマニアックに)なって行った。

今後放送予定のキーワードとして気になるのが「六番打者」。
2月のオンエアなんだけど、これはすごく楽しみだ。
6番を打つ人といったらこの選手、というのが残念ながら僕には思いつかないからだ(たとえば「5番」といったら元巨人の柳田俊郎(真宏)選手、みたいな。あれぐらいのインパクトがある選手がいないんだよなー6番って。しかし柳田って相当古いな(笑))。
だから「六番打者」に対するプロの視点というのはどんなのか想像もつかない。でもちゃんと50分持つんだろうなー。面白いんだろうなー。

このほかまだ予定にもないだろうけど、「ワンポイントリリーフ」とか「三重殺」とか「隠し玉」とかもやってほしいな。
「ワンポイントリリーフ」では今や絶滅危惧種となった「投-外-投」で戻るケースの話、「三重殺」では元阪急ブレーブスの住友平さんの話なんかを見てみたい。
まあこれは僕の勝手な妄想なんだけど。

さてそんな『球辞苑』。今年、2017年1月14日に放送されたキーワードは「ホームランキャッチ」だった(このキーワードだって相当マニアック)。ここに何と僕が新年一発目のコラムで書いた、例の「山森雅文選手のサーカスプレー」が登場したのだ!
別にこの番組を意識してあの話を書いたわけでもないのに、まさかその数日後にあのプレーをNHKで見れるとは、なんたるタイミングの良さ!

この番組、再放送をするのでそこでぜひそのプレーを見てほしい。その上で山森選手のプレーの美しさと、福本さんの偉大さ、そして『球辞苑』の面白さをみなさんにもぜひ認識してほしい。
あれ?元のコラムの趣旨と若干変わってるか。まあいいや。
とにかく日本人初のアメリカ野球殿堂入りのプレーを見てみてちょうだい。

僕もこのコーナーで『球辞苑』ならぬ『クイ辞苑』(究極にダサいネーミングだな(笑))のようなものを書いてみようかしら。
どんなキーワードが『球辞苑』っぽいんだろ。たぶん、「押し負け」とか「一択」とか「ボタンチェック」とかの類なんだろうなー。
でもどうやって「押し負け」で語れるねん、って話なんやけどね。

そもそも「押し負け」って、絶妙のタイミングで押したのに解答権は別のヤツ、みたいな話で、それ以上でもなければそれ以下でもないわけだ。
これを深く掘り下げるとしたら、「クイズ史に残る押し負けといえば」みたいな話にするわけか。「押し負けの極意は」とか「押し負けを克服する意識改革」とかもアリだな。「押し負けの匠が語る~永田喜彰」みたいなのもいいかも(失礼な(笑)永田さんごめん)。

あれ、書いてるうちになんかだんだん面白そうになってきたぞ。いつかトークライブとかでやってみようか。盛大にゲストを呼んで細かいマニアックなキーワードを掘り下げて、そしてお客さんを置いてけぼりにする、という感じで。(あかんやろ)

わあわあ言うとりますが、ここらで時間となりました。
ではまた来週の木曜日に。

追記

これを書いた後、そういや再放送っていつだっけ、と思って調べたらなんとこのコラムがアップされる日だったのね。「Message」にも書いたけど、残念ながら「ホームランキャッチ」は10分前に終わりました(笑) ごめんなさい。