2週目!! (1989年11月2日)
171102
「2週目」の放送が終了した。
2週目といえばこの回を構成するメンバーが出揃って来て、多くのウルトラファンが「ご贔屓」(古い表現だなー。今なら「推し」だな)を決めたり優勝予想を始める週でもある。
中学時代の僕はといえば、もっぱらノートに挑戦者の名前の表を作って、そこにオッズをつけて、みんなで…(以下自粛)
というわけで早速今週の観戦記を見てみよう。
◆ ◆ ◆
●タイトル
2週目には「激戦!オーストラリア初上陸編」というサブタイトルがついていた。
本編で明確に表示されたのはこの2週目だけだったんだけど、実はちゃんと5週ともにサブタイトルがあり、新聞のテレビ欄には書かれていたのだった。
ちなみにそのサブタイトルは1週目から順に
『めざせ米豪2大陸編』
『激戦!オーストラリア初上陸編』
『サイキックでニュージー突入編』
『アメリカ上陸!!戦場どまん中編』
『勇者6人激突クライマックス編』
だった。
そしてタイトルバックでまたしてもエアーズロック登場! だから行ってないっつーの!
●ルート紹介
まだ「ROUT」だ! どうするスタッフ!(笑)
しかもこの回のルート紹介では単純なミスもある。最後のニューヨークの地図のあたりで画面左上にピンクのモジャモジャ(笑)が見えるのだ! これは僕は放送当日から気になっていて仕方がない(笑)
編集、大変だったんだろうな、とスタッフの苦労が偲ばれる。
●グアム
「片山だ―!元気かー」
そうそう、片山と池田と佐藤さんが3人で最初にドロンコをやったんだった。
じゃあ次はオレらか、と思ってたら案の定いきなりの登場となる。
クイズ当日は反対側にいてわからなかったんだけど、どうよ、この関口の鮮やかな飛び込みは(笑) あの形のまま空中で一瞬止まってるもんなあ。名人芸やん。
そりゃまあ全身ドロをカブるわな。ドロカバにもなるで。誰がカバやねん。
あと、稲ちゃんのダイビングも綺麗だな。あれは最もケガの可能性の低い、それでいて全身が泥まみれになる、というこれも名人芸のスタイルだ。
って、なんでドロの評論なんかせなあかんねん(笑)
そうこうしているうちに志津姉登場。
「ビキニー! あったあった! しかし流石のスタイルやなー」(何が流石なのかわかりませんが)
ここで今週のツボ!
志津姉がビキニに着替えて、トメさんが「外れないように気を付けて」と言った直後に映るのが小林さんのアップ(笑) もう、これ最高。
だって小林さん、実際は志津姉より先に飛び込んですでに通過を決めているからだ。
彼女が勝者席のメンバーに迎えられるシーンで小林さんはちゃんとそこにいるのが確認できる。つまりこれは演出の雨宮さんがトメさんのコメントに対するツッコミとしてインサートしたものなのだ。
ちなみに僕が登場したときに腹を押さえて「アイタタタタ」とやった後、志津姉をインサートして「アホか」と言わせたのも同じパターンの演出である。
しかしホントにあの小林さんのショットは面白い。憎めない、弄られキャラの小林さんだからなおさらなのである。
●敗者復活戦
「敗復はどこまでやるんやろ。あ、やっぱり『逆ドロ』だけか」
さすがに逆ドロ後の○×ボードクイズはカットだった。
そういやあのボードクイズではトメさんはマイクを持たずに肉声で問題を出してくれたんだった。
「みんなにとって大事な問題だから、僕もマイクなしの声で勝負するよ」にはちょっと感動したなあ。
そしてこの放送を見ていたときに気付いたのが「トリ」である。
「ここはやっぱり過去のチャンピオンである稲ちゃんがトリだよなー」
当然のようにトリの座に居座るサークルの後輩であった(笑)
ちょっとは先輩に席を譲れよ。
このとき僕に出された逆ドロ問題は簡単でよかった。
放送では分かりにくいが、最初「◯」に向かって走るというボケの余裕もあったぐらいだ。
○へ向かう僕にトメさんが「ゆっくり行け、ゆっくり行け」と言ってくれてるのは、「もっとよく考えろ!」と読み取れることもできるなー。
●夜中の奇襲クイズ
「ター兄ぃ、リアクション完璧やなあ。関根もオモロいなあ」
みんなの寝起きの顔芸が炸裂したこのクイズだったが、1人ぐらい風呂に入っている途中を呼ばれてバスローブで来てもよかったなー(笑)
ここのクイズについてファンレターによく書かれていたのが、「ホントにあのパジャマって寝るときに着てるんですね」というやつだった。
パジャマ言うてるやん。寝巻きやん。
さて、クイズが終わった翌朝、バスから降りてくる恒川にトメさんが「ぐっすり寝られたか、会計!」と声を掛けている。これはこのツアーにクイズ研の「会長」が何人かいて、それを受けてトメさんが「君は何をやってるんだ?」と恒川に質問したことが発端になっている。彼は即座に「会計です」と答えた。そう恒川は実際にRUQSの不動の会計だったのだ。
ひょっとしたらトメさんはそれを恒川のニックネームにしたかったんじゃないかな。まあ今となっては恒川といえば「小学生のアイドル」以外には考えられないけどね。
そして敗者が決定する。小林さんである。
はい、みなさんご一緒に。
「えー、これー?」
「出たー!本家!正調! でもこんな大人しい感じのセリフやったんやー」
そのときにはもう僕らの中ではすでに言葉が独り歩きをしていて、原型を留めていなかったのである。
負けた小林さんは風のように連れ去られて行った。
この放送の翌年、映画館で初めて『ゴースト~ニューヨークの幻』を見たのだが、悪役のカールが最後に悪霊に連れ去られるシーンを見たときに「あ、小林さんや」と思って気分が萎えてしまったのは残念な思い出だ。
さあいよいよオーストラリアだっ!
「だからエアーズロックには行ってないっつーの!」
●ゴールドコースト
「ゴールドコースト!寒かったよなー」
風は強いわ水温は低いわで最悪のコンディションのチェックポイントだった。
クイズでは24人が4つのチームに分けられたが、僕は最初「健」に入っていた。
僕だけではない、萩原さんが持っていた紙によると6人の倍の12人が当初は「健」だった。そりゃそうだ。みんなクイズ研なんだもん。
と、ここで小さいツボ。
ライフセーバー大会のVTRが入った後のトメさんのナレーション、「若さいっぱい頑張って欲しいと思います」の時に後ろでロープを持っている人が敗者担当の我らが廣田さんである。
波に揉まれてるやん。さらわれそうやん。
スタッフの方々、ホントにありがとうございます。
そしてトメさんのナレーション「勝ちますと次はモーリーに行くことができます」。
「出たー! ハニー♥」
この放送で僕は何回手を振ったかわからない。
さてクイズである。
これは未だにファンレターでも誰も指摘していないことなんだけど、実は僕だけがあのクイズで可愛い帽子を被っていなかったりする。
帽子が波にさらわれたとかではなく、僕だけ最初からつけていないのだ。
その理由は、配布された帽子のうち僕のものだけ顎紐がない不良品だったのである。どんな確率やねん。
そんなのを被っても確実に波にさらわれて海のゴミになるので、僕は最初からつけなかったのだ。
さて、『手のひらを太陽に』の問題で僕が間違えて志津姉が頭を抱えるシーンがあるが、どうみても背景の太陽の明るさが違う。そう、あれも雨宮演出のインサートなのだ。
志津姉は人が間違えて頭を抱えるような人じゃないのさー。あれは彼女自身が間違えてしまった問題のシーンなの。
しかしここのクイズはキツかった。
最後みんなでバンザイをするんだけど、僕なんかロクに手が上がってないもんなあ。
●敗者復活戦
「おー、ワイヤレスやん。ははあ、どっかで使う気やったんやな。せやけどキングジョーみたいやな」
アンテナが2本立っている姿でキングジョーを思い出せる人はウルトラセブンに詳しい人で間違いない。
『28年前日記』にも書いたが、オーストラリアはこの当時、航空ストの真っ只中で、その影響でシドニー以外のチェックポイントが全て変更になっていた。あの唐突に登場したワイヤレス早押し機はその幻のチェックポイントで使われる予定だったのだろう。それは容易に想像ができた。
だってあのクイズのルールじゃ、テーブルにハットを置いて後ろに走る、っていう方が自然だもんなあ。
ちなみに、彼らが走って行って折り返し点にしていた女性はスタッフである。当たり前だ。寝転がってる現地の人の周りを走ったら不審がられて通報されるに決まってる。
「さあ、罰ゲームやで」
このゴールドコーストで僕が見たかったのは「罰ゲーム」だった。
勝っても負けてもクイズはずっと見ていることになるんだけど、罰ゲームだけはそれぞれやった人以外にとっては未知の世界だからだ。
これは僕だけでなく永田さんや秋利なんかも楽しみにしていた1つだったのではないかと思う。
そして罰ゲームが終わり、テロップで「失格者 井端剛・吉野均 帰国?」と出る。
いいよねー。この「?」がたまんない。これぞウルトラだよなー。と元マニアは変なところに感動してしまうのであった。
●敗者予想
「そうかー、今回はスタジオもなければコンピュータもないのか! 残念。あそこに名前乗りたかったなー」
「落 秋利美紀雄 23 山口 12.7%」みたいなやつ。見たかったー。
●モーリー
「おー、モーリー! 絶対に二度と行かない場所!(笑)」
ここのクイズ、そういや「サバイバルクイズ」とかいう名前やったなー。最初の距離は確かにむちゃくちゃ遠かったけど2回目からはそんなでもないやつな。
ヘリコプターが遠くに行くのにみんなが笑っているシーンが映る。
あれはルールの説明で笑っているのではなく、本番の最初はトメさんがみんなからコメントを取るんだけど、いきなり振られた僕が爆笑を取ったときのものである。
なぜそれを憶えているか。モーリーでの笑いはツアー中で一番手ごたえがあったからだ。
ってこれはクイズ番組だっての。
最初に上空からの映像が映るが、よく見ると人数は少ないし服もカラフルではない。つまりあれはスタッフによるランなのである。
クイズ開始。
先頭で帰ってきたのは木村だ!
「アイツ、たしか最初の問題間違えたんじゃなかったっけ」
と思って見てたら正解してる。でも長戸探偵は見逃さなかった。先頭で帰って来てるのに息が切れてない! 2回目の映像じゃん!
トメさんはみんなに正解して欲しいのでたまにヒントのようなものを出してくれたりする。
バラマキでのター兄ぃへの問題、「フランス語で巨大な音声というラッパ型の道具は何?」では、問題カードを持ってない右手で筒を作ってそれを広げる仕草をされていた(笑)
後ろで並んで見ていて、「おー、メガホンやん」と思って何人かでゲラゲラ笑った記憶がある。
僕が答えた「エディプス」なんかはヒントもへったくれもできないわけだから、こういうヒント可能な問題を拾ってくるのも実力なんだよなー。まあもちろん田川さんならヒントなしでも「メガホン」は正解できたんだけど。
「あれ?そういやオレ、全然映ってないやん」
「あ、しもた!バラマキって全員映るもんやないのか!ヤバい!コンプリートが!」
と思っていたら長戸勇人、登場。
「おー、映ったー。ラッキー!」
そうそう。明日は走るクイズですって言われてたから、シャツを脱いでもカメラ映えするように色違いのタンクトップを重ね着してたんだ。
でも「エディプス」と「オイディプス」って、答を言い直してるみたいやん(笑)
バラマキクイズ。今年の主役は何と言っても同志社の池田だ。
「イノイノブタはイノブタと何の間の子」に「ウシ」だからなあ(笑)
これは『第13回』最高の誤答ですぜ、旦那。
「うー、今週はここまでかー」
◆ ◆ ◆
2週目の放送の翌日は文化の日。この日は立命館大学の学祭があり、今はなき中央グラウンドで「クイズ立命オープン」が開催された。
僕は休学中でありながらMCをやっていた。4年連続4回目のMCである。
このイベント終了後に初めて経験したのが「サイン」である。
ファンレターや突然の電話や写真を一緒に撮る、というのはデビュー戦の『アップダウンクイズ』(81年)や『アタック25』(87年)などに出場した後にもすでにあったことなので別に何とも思わなかったが、「サインをしてください」と言われたのはこの時が初めてで新鮮な驚きがあった。
ちなみにこのサインを求めてきた彼女は高校生で、後にRUQSに入って「後輩」となった。
だから初サインの相手は名前も顔もちゃんと記憶していたりする。
2週目の段階では「ファン」と称される人々の反応はまだおとなしく、アクションも数えるほどしかなかったので僕にはまだまだ心の余裕があった(笑)
「ウルトラクイズの影響もたいしたことないな」
そんなマヌケなことを考えられる最後の週末を僕は過ごしていた。
ではまた来週の木曜日!