コラムのコラム

180315

どうにかこうにかコラムが続いている。今回でもう54回目だ。
僕の知り合いなんかは奇跡のようなものと捉えているに違いない。あの面倒くさがりがよくもまあ、という感じだろう。

何人の人がこんな駄文を読んでるのか、その明確な数はわからないんだけど、久しぶりに会った人やようやく連絡が取れた人なんかからでも「毎週読んでるよ」と言われることがしばしばなので驚く。
まあ多少の時間つぶしにはなるから目にするぐらいのことなんだろうが、それでも「読んでます」って言われると悪い気はしない。その言葉の前に「楽しみにして」みたいなのがついたら余計に嬉しい。なので嬉しがらせてくれた人には必ず「ありがとう」と言うことにしている。(それだけか)

クイズに絡めて書くことを絶対条件としているこのコラムであるが、ネタ自体はなかなか尽きないようである。
「ようである」と書くのは、僕がこの40年弱のクイズ生活で経験したことや考えたことのことごとくを憶えていないからだ(笑)
このコラムの最初からの読者の方なら憶えておられるだろうが、結構最初の回の方で僕の記憶力の情けなさについて書いたことがあった。何回も言うがあれはマジなものなのだ。ホントにいろんなことが思い出せないでいる。それは中学生のころからである。

それでもコラムに関するネタは人と話しているとふと出てくることがある。なのでこれまでどうにかこうにかやって来れている。
ネタを思い出すと慌ててメモったりするんだけど、しかしいよいよ煮詰まってくると、絞り出すように記憶を引っ張ってこなくてはいけない。たしかにそれは面倒だ。

で、最近いいことを思いついた。
前回、徹クイの話を書いたが、そういったチャンスに、「コラムのネタない?」って聞くことにしたのだ(笑)
なんで後輩連中に聞くのかというと、僕がこれまで話した話で彼らにとって印象的なことや面白かったものがあったらそれを言って欲しいのである。それらは僕にしか書けないことであるからコラムのネタとしては十分なものとなるからだ。これぞ忍法「他力本願」だ。

いくつか聞いてみたところ、出るわ出るわ、ネタがたくさん。もうびっくり。
でも待てよ、
「こういうネタって昔話したことあったっけ?」
って聞いたら、
「いや、ありません」
と言う驚きの返事。
「これは全部聞いてみたいことです」
って、それやったら単なる質問コーナーやんけ!

そうやないねん、と説明すると、うーん、そうですねえ、うーん…、ってお前らも忘れてるんやないか!
あ、違うか。オレの話は面白くなくて印象に残っていないっていうのを遠回しに言ってんのか。悪かったな!

じゃあ僕が何を言ったかとかは僕が死んでからみんなでゆっくり思い出してなんかの本にでもまとめといてくれ。どうせお前らのことだからくだらん内容ばっかりなんだろうけどね。
「長戸曰く、かっぱえびせんを食べ始める時はまず両手でがっちりと袋を掴んでそれからおもむろに…」
みたいなやつだろう。まあそれはそれでオモロいんだけど。

そんなこんなでいろいろ時間が経ってもやっぱり全然思い出せないので、悔しいけど奴らの質問コーナーのネタを今後はいくつか間に挟んで行こうと思っていたりする。
(でもねこれがなかなか面白いのよ。そんな切り口があったのかー、って思うことしきり。一番笑ったのが「コラムの書き方を教えてほしい」だったな。アホか。そんなもんこっちが聞きたいわ(笑) しかももうクイズでも何でもない純粋な質問やし(笑))

とまあ今回のコラムはこれで終わり。
なんてことはない、与太話でした。

全然クイズと絡んでない、そんなオモロないコラムなんか読みとうないぞー! というお叱りの声もなく、ご静聴賜りましたこと誠にありがとうございました。

ではまた来週の木曜日。

おまけ

いくら何でもクイズと絡めないのはアレなので、ここで問題を1つ。
問題。今回のコラム(与太話)の最後の部分にある、「〜と言うお叱りの声もなく〜」はある往年の漫才コンビの締めのフレーズですが、そのコンビとは誰でしょう?

ってまた難しい問題やなー(笑)
そうそうここで、前に突然出した難問の答を発表しておこう。

問題は、メジャーリーグで9回裏2死からの誤審によって完全試合を阻まれたガララーガ投手が当該審判の謝罪に対して言った言葉、だったよね。
正解は、「Nobody’s perfect.」(誰だって完全じゃないよ)でした。

粋だよねー。いくら翌日の話とはいえ、無茶苦茶落胆していただろうに。そんな状態でもこういったステキな言葉を発することができるのは本当に凄いと思う。こういうコメント力をほんまに身に付けたいもんどすなあ。(マジメに書け!)

そしてこの問題にはもう1つ、別の問題が絡んでたよね。この言葉がラストシーンに使われる名作コメディ映画だ。
こっちの正解は、『Some Like It Hot』。
80年代の洋楽好きにはザ・パワーステーションのヒット曲がすぐに出てきたかも知れないけど(笑)、もともとこのタイトルは映画の題名から来ている。『お熱いのがお好き』という邦題ならご存じの人も多いと思う。

コメディ映画の主役を張らせたら当代随一だったジャック・レモンが主演の1人。かのマリリン・モンローがヒロインとしてコメディを演じる貴重な作品である。ちなみにジャック・レモンはこの作品でアカデミー主演男優賞にノミネートされた。

ひょんなことから女装をする羽目になったジェリー(ジャック・レモン)が、女性に間違えられてあろうことか大富豪のオッサンに一目惚れされてしまうという展開。ラストシーンではミリオネアが操縦するモーターボートで二人っきりになってしまいその船上でしつこくプロポーズされる。遠回しに断っても全然こたえないオッサンに対して最後にジェリーはカツラを取って「俺は男なんだよ!」。
それに対してミリオネアが平然と言い放ったラストの一言がガララーガ投手と一緒のセリフというわけ。
笑顔の大富豪の隣で「ダメだこりゃ」の表情をするジェリー。見事にオチが決まった瞬間だ。

この映画史に残る有名なセリフは日本語へは「誰だって完璧じゃないよ」みたいに「完璧」という言葉を使って訳される。
で、同じだからといってガララーガ投手のセリフもやっぱり「完璧」という単語が使われて訳されるんだけど、でもやっぱりここは「誰だって完全じゃないよ」の方がベターだと思うんだけどなー。少なくとも野球好きにはこっちの訳の方がグッとくる。「完全試合」に引っ掛けてるわけだからね。

そんなオモロない話なんか聞きとうないぞー! というお叱りの声もなく、ご静聴賜りましたこと誠にありがとうございました。

ではまた、今度こそ、来週の木曜日。